幕末を生きる
第一章 金貸し
ここにある一人の女子がいる。名はハル、歳は十八であった。ハルは、高瀬川と鴨川に挟まれた上樵木町にある医院の娘であった。この当時、帝も武士も町人も皆が医院を頼りにしていた。何せ、父は当時最も恐れられた死の病、労咳にも効くと評判の医者であった。お陰でハルは食うに困ることもなく、世の苦労を知らずに育った。しかしそれも、去年までの話である。
去年の暮れ、ハルの父は労咳に倒れた。医院が重宝された理由の大部分がこの労咳なのだから、医者がそれで死ぬというのは代々続いてきた医者の家系を潰しかねない大事であった。父亡き後、医院を預かっていた医者が、とうとう暇を願い出た。
「ではお二人共、末永くお元気で」
母もまた世間知らずであったので、ハル達はこの医師が居なくなるという事態の重要さを測り違えていたのだ。母が危惧しなかったのも仕方ない。時日、多額の遺産は残った。残ったがしかし、今日まで贅沢三昧であった二人が死ぬまで生き延びられる日銭は無かったのだ。
それに気が付いたのはハルが先であった。母が一目惚れして買ったという上質な絹の着物を見て、ふと思ったのだ。父が死んでから、私たちの蔵に金が増えたことは無い。それなのに、何故私達は贅沢をする事が出来るのか。この暮らしの終わりに気が付いていないだけでは無いのか。
そう思ったハルは早かった。帳簿を確認し、蔵のお金を数え始めたのだ。結果は想像以上にすぐに分かった。蔵の金が余りにも少なかったのだ。とはいえ、百姓のように生活をすれば一年は持つだろう。しかし今のまま過ごせば、三ヶ月持つかどうか…。
ハルは決心した。今まで将来の事など考えた事のない娘であったが、この娘、愚かでは無いのだ。目的はただ一つ、蔵の金を増やす事である。
第一章 金貸し
さて、ハルがまず思いついたのは何処かに奉公に出るという事だ。女中として働き、金を稼ぐ。しかしそれでは稼げる額が足りなかった。ハルがひとりで稼いでも、二人食べていける銭にはならない。ましてや銭を貯める余裕なんでとても持てないだろう。
ちなみに、母は働きには出れぬ身体だ。この人は公家出身で、骨の髄まで甘やかされて育った方なので、自分が働きに出るということに耐えられぬだろうと踏んだのである。
「君の利点を考えるといいよ」
そう助言をくれたのは最近この辺りに住み始めたという青年だった。名を中村重助といった。
彼は育ちが良いのか、言葉が綺麗だった。京ではあまり見ないハッキリとした顔立ちで、物腰も柔らかい。そのおかげで、年頃の女は皆この重助に夢中であった。しかしハルは、この男に感じる胡散臭さをどうも拭い切れずにいた。彼は町人の息子だと言うが、妙に学があり、京の噂を手に入れるのも随分早かった。それでいて、本人はただの町人だと涼しい顔で言うのである。
「君は計算が出来るし、字も書ける。頭も悪くない」
重助はわざとらしくううむと唸るふりをした。その間に、向かいの八百屋から買い物を終えたサヨが出てきた。彼女は重助の姿を見ると頬をほんのり染めて、隣に私の姿を見るなりげんなりした様子になって歩いていった。
当の本人はそれ全てに気付いているだろうに、いつものように人の良い笑みを浮かべた。
意地の悪い男だ。サヨの気持ちに応えてやればいいのに、これじゃあ泳がせているも同然だ。
「そうだなあ」
重助は顎に手を添えた。
「金貸しなんて面白いと思うけどなあ」
“金貸し”
「貸す銭が無いから困っているのに」
「でも、君は他の金が無い奴より困ってない。そうだろう?」
重助の言っている意味がどうも分からない。金に困っている人ほど困ってはない。確かにそうだ。三ヶ月はこれまでと変わらず過ごせる余裕がある。でも頭金が足りない。
「そうだねえ、唯一の問題は頭金かな。金貸しを始めるのにも資金がいる」
「そうよ、それが問題なの」
重助はまた顎に手を当てた。なんとなく、もう彼の中では答えが出ている気がした。
「借りれば?」
思わず呆気にとられ、何も言えなかった。金を稼ぐために金を借りるなど、馬鹿のすることだ。重助はその綺麗な顔でクシャリと笑うと、ハルの手を取って歩き出した。金貸しの元へ行くのだ。重助はハルを見た。まだ呆然としたままで、重助の引くままに足が動いている。それがなんだか面白かったので、重助はその端正な顔にクスりと笑みを浮かべたのだった。
「さあて、ここだよ。主人はハルだ、君からどうぞ?」
豪勢な武家屋敷の前まで着くと、重助は振り返ってハルを見た。彼女はもう呆然とはしていなかったが、あまりに豪勢な屋敷を前に慄いているようだった。
「待って、私はまだ」
「じゃあどうするの、金を稼ぐ手立てはあるの?」
重助の声音が一気に冷えきったのを感じた。こういうところがどうも苦手なのだ。ハルも分かっている。金を稼ぐ為には、重助の言う通りにするのが良いと。しかし何故、彼はここまで親身になってくれるのだろうか。もはや騙されているのではと思うほど、事が早く進み過ぎていた。
「さあ、入るよ。もちろん、君が下手を打てば僕が助けにはいるから。大丈夫、僕を信じて」
重助の言葉に少し安心して唾を飲み込む。トントントンと三回屋敷の扉を叩けば、すぐに門は開いた。屋敷の中は外見と変わらぬ豪勢さであった。何もかもが金色に輝いていて、思わず目が眩んだほどだ。
屋敷の庭を歩きながら、重助が言ったことを思い出す。
「こういう場では堂々とするのが良いよ。相手の発言で、これはおかしいと思った所があれば、迷わず指摘するんだ」
「こういう経験があるの?」
「何度かね」
彼は曖昧に笑った。ハルは、彼の過去など気にしたことも無かった。京に来る前は何をして過ごしてきたのか、こんなところにまで来たことがあるなんて、きっと波乱万丈の人生だろう。ひょっとすると、金に困りかねて脱藩したのかもしれない。
「若い人が来ているとは聞いていましたが、想像以上だ」
暖簾をくぐって部屋に入ってきた男がハルを舐め回すように見た。歳は五十を越えているだろうか、丸々と肥えた身体を上質な着物で包み、首からは金塊で作られた勾玉を下げていた。
そして一度重助にも目を向け、そしてまたハルへと戻した。
「して、本日はどのようなご用件で?」
重助の方をチラリと見れば、彼はいつものようにニコリと笑ってハルを見ていた。先程言われた言葉が脳裏を巡る。
『主人はハルだ、君からどうぞ』
これは私の戦なのだ。重助はあくまで助太刀するだけ。私はこの男に打ち勝って金を貸してもらうんだ。怯える自分を何とか奮い立たせ、ハルは金貸しを睨むように見つめた。
「百両」
「おや」
男の眉がやや上がった。二十歳に見たぬ少女が借りるには余りにも膨大な額であった。
「百両、貸して頂きたく参りました」
百両あれば、頭金として充分であろうというのが重助の考えであった。男はニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべながらハルを見た。まるで蛇に睨まれているような心地であった。
「たしか君の家は、上樵木にあったね。それを担保にというなら、喜んで金を貸そう」
金貸しは下品な笑みを浮かべて私を見た。全て調べはついているということだ。しかし良かった、金を貸してくれる。そう力が抜けかけた時だった。
「納得いきませんね」
重助が声を上げた。
「おや、何かおかしなことでもありましたかね?」
「ええ。この子の家が上樵木町にあるとご存知ならば、その土地の広さも充分知っておいででしょう」
金貸しと重助は睨み合い、私は蚊帳の外だった。
「百両貸して百五十坪の土地を担保に取る。随分と割の良い商売ですね」
重助がそう言った瞬間、私は彼が斬られるのではないかと思った。事実、金貸しは腰に差した刀に手を伸ばしていたのだ。しかし、寸でのところで動きを止め、堪忍したように笑みを浮かべた。
「賢いご友人をお持ちで。ではこうしましょう。担保は土地の一部ということに。高瀬川側三十坪を代わりにいただきます」
「それで文句はございませんな」
金貸しは不機嫌そうに吐き捨てると、重助はにこにこ笑いながらハルを見た。それは即ち、交渉になんの欠落も無いという事を指していた。ハルはここでまた安堵し、用意された紙に判を押した。
「いやあ、思ったより簡単だったね」
「重助のおかげ。本当に、なんとお礼を言ったら良いか…」
ずっしりと重みのある銭袋を感心しながら見つめれば、重助はクスクス笑って見せた。最初は軽薄に感じて嫌だと思っていたその笑みも、いつの間にか見慣れてしまった。
「それじゃあ、ここで」
「うん」
重助は何を考えているのか分からない顔で夕陽を眺めていた。横顔が綺麗だ。巷の娘達がこの男に惚れ惚れする理由も分かる気がした。
「重助、このお金を預かって欲しいの」
重助は驚きを顔に浮かべた。しかし、こちらにも理由がある。
「うちにお金を置いておけば、母が気付いて使ってしまうかもしれないでしょう?それを避けたいの」
「ああ、なるほど……でも、僕はそこまでの信用に値しないだろう?」
ハルは首を振った。重助なら、信用できる。
思えば父が死んでから上手くいかない事だらけだった。そんな日々に光を与えてくれた彼の事を私は信じたいのだ。
重助に銭袋を手渡した。彼はしっかり受け取ると、少し目を伏せた後、いつものようにクシャリと笑った。
「じゃあまた明日」
「うん、明日」
二人の影が夕陽へ向かって高く伸びていた。
去年の暮れ、ハルの父は労咳に倒れた。医院が重宝された理由の大部分がこの労咳なのだから、医者がそれで死ぬというのは代々続いてきた医者の家系を潰しかねない大事であった。父亡き後、医院を預かっていた医者が、とうとう暇を願い出た。
「ではお二人共、末永くお元気で」
母もまた世間知らずであったので、ハル達はこの医師が居なくなるという事態の重要さを測り違えていたのだ。母が危惧しなかったのも仕方ない。時日、多額の遺産は残った。残ったがしかし、今日まで贅沢三昧であった二人が死ぬまで生き延びられる日銭は無かったのだ。
それに気が付いたのはハルが先であった。母が一目惚れして買ったという上質な絹の着物を見て、ふと思ったのだ。父が死んでから、私たちの蔵に金が増えたことは無い。それなのに、何故私達は贅沢をする事が出来るのか。この暮らしの終わりに気が付いていないだけでは無いのか。
そう思ったハルは早かった。帳簿を確認し、蔵のお金を数え始めたのだ。結果は想像以上にすぐに分かった。蔵の金が余りにも少なかったのだ。とはいえ、百姓のように生活をすれば一年は持つだろう。しかし今のまま過ごせば、三ヶ月持つかどうか…。
ハルは決心した。今まで将来の事など考えた事のない娘であったが、この娘、愚かでは無いのだ。目的はただ一つ、蔵の金を増やす事である。
第一章 金貸し
さて、ハルがまず思いついたのは何処かに奉公に出るという事だ。女中として働き、金を稼ぐ。しかしそれでは稼げる額が足りなかった。ハルがひとりで稼いでも、二人食べていける銭にはならない。ましてや銭を貯める余裕なんでとても持てないだろう。
ちなみに、母は働きには出れぬ身体だ。この人は公家出身で、骨の髄まで甘やかされて育った方なので、自分が働きに出るということに耐えられぬだろうと踏んだのである。
「君の利点を考えるといいよ」
そう助言をくれたのは最近この辺りに住み始めたという青年だった。名を中村重助といった。
彼は育ちが良いのか、言葉が綺麗だった。京ではあまり見ないハッキリとした顔立ちで、物腰も柔らかい。そのおかげで、年頃の女は皆この重助に夢中であった。しかしハルは、この男に感じる胡散臭さをどうも拭い切れずにいた。彼は町人の息子だと言うが、妙に学があり、京の噂を手に入れるのも随分早かった。それでいて、本人はただの町人だと涼しい顔で言うのである。
「君は計算が出来るし、字も書ける。頭も悪くない」
重助はわざとらしくううむと唸るふりをした。その間に、向かいの八百屋から買い物を終えたサヨが出てきた。彼女は重助の姿を見ると頬をほんのり染めて、隣に私の姿を見るなりげんなりした様子になって歩いていった。
当の本人はそれ全てに気付いているだろうに、いつものように人の良い笑みを浮かべた。
意地の悪い男だ。サヨの気持ちに応えてやればいいのに、これじゃあ泳がせているも同然だ。
「そうだなあ」
重助は顎に手を添えた。
「金貸しなんて面白いと思うけどなあ」
“金貸し”
「貸す銭が無いから困っているのに」
「でも、君は他の金が無い奴より困ってない。そうだろう?」
重助の言っている意味がどうも分からない。金に困っている人ほど困ってはない。確かにそうだ。三ヶ月はこれまでと変わらず過ごせる余裕がある。でも頭金が足りない。
「そうだねえ、唯一の問題は頭金かな。金貸しを始めるのにも資金がいる」
「そうよ、それが問題なの」
重助はまた顎に手を当てた。なんとなく、もう彼の中では答えが出ている気がした。
「借りれば?」
思わず呆気にとられ、何も言えなかった。金を稼ぐために金を借りるなど、馬鹿のすることだ。重助はその綺麗な顔でクシャリと笑うと、ハルの手を取って歩き出した。金貸しの元へ行くのだ。重助はハルを見た。まだ呆然としたままで、重助の引くままに足が動いている。それがなんだか面白かったので、重助はその端正な顔にクスりと笑みを浮かべたのだった。
「さあて、ここだよ。主人はハルだ、君からどうぞ?」
豪勢な武家屋敷の前まで着くと、重助は振り返ってハルを見た。彼女はもう呆然とはしていなかったが、あまりに豪勢な屋敷を前に慄いているようだった。
「待って、私はまだ」
「じゃあどうするの、金を稼ぐ手立てはあるの?」
重助の声音が一気に冷えきったのを感じた。こういうところがどうも苦手なのだ。ハルも分かっている。金を稼ぐ為には、重助の言う通りにするのが良いと。しかし何故、彼はここまで親身になってくれるのだろうか。もはや騙されているのではと思うほど、事が早く進み過ぎていた。
「さあ、入るよ。もちろん、君が下手を打てば僕が助けにはいるから。大丈夫、僕を信じて」
重助の言葉に少し安心して唾を飲み込む。トントントンと三回屋敷の扉を叩けば、すぐに門は開いた。屋敷の中は外見と変わらぬ豪勢さであった。何もかもが金色に輝いていて、思わず目が眩んだほどだ。
屋敷の庭を歩きながら、重助が言ったことを思い出す。
「こういう場では堂々とするのが良いよ。相手の発言で、これはおかしいと思った所があれば、迷わず指摘するんだ」
「こういう経験があるの?」
「何度かね」
彼は曖昧に笑った。ハルは、彼の過去など気にしたことも無かった。京に来る前は何をして過ごしてきたのか、こんなところにまで来たことがあるなんて、きっと波乱万丈の人生だろう。ひょっとすると、金に困りかねて脱藩したのかもしれない。
「若い人が来ているとは聞いていましたが、想像以上だ」
暖簾をくぐって部屋に入ってきた男がハルを舐め回すように見た。歳は五十を越えているだろうか、丸々と肥えた身体を上質な着物で包み、首からは金塊で作られた勾玉を下げていた。
そして一度重助にも目を向け、そしてまたハルへと戻した。
「して、本日はどのようなご用件で?」
重助の方をチラリと見れば、彼はいつものようにニコリと笑ってハルを見ていた。先程言われた言葉が脳裏を巡る。
『主人はハルだ、君からどうぞ』
これは私の戦なのだ。重助はあくまで助太刀するだけ。私はこの男に打ち勝って金を貸してもらうんだ。怯える自分を何とか奮い立たせ、ハルは金貸しを睨むように見つめた。
「百両」
「おや」
男の眉がやや上がった。二十歳に見たぬ少女が借りるには余りにも膨大な額であった。
「百両、貸して頂きたく参りました」
百両あれば、頭金として充分であろうというのが重助の考えであった。男はニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべながらハルを見た。まるで蛇に睨まれているような心地であった。
「たしか君の家は、上樵木にあったね。それを担保にというなら、喜んで金を貸そう」
金貸しは下品な笑みを浮かべて私を見た。全て調べはついているということだ。しかし良かった、金を貸してくれる。そう力が抜けかけた時だった。
「納得いきませんね」
重助が声を上げた。
「おや、何かおかしなことでもありましたかね?」
「ええ。この子の家が上樵木町にあるとご存知ならば、その土地の広さも充分知っておいででしょう」
金貸しと重助は睨み合い、私は蚊帳の外だった。
「百両貸して百五十坪の土地を担保に取る。随分と割の良い商売ですね」
重助がそう言った瞬間、私は彼が斬られるのではないかと思った。事実、金貸しは腰に差した刀に手を伸ばしていたのだ。しかし、寸でのところで動きを止め、堪忍したように笑みを浮かべた。
「賢いご友人をお持ちで。ではこうしましょう。担保は土地の一部ということに。高瀬川側三十坪を代わりにいただきます」
「それで文句はございませんな」
金貸しは不機嫌そうに吐き捨てると、重助はにこにこ笑いながらハルを見た。それは即ち、交渉になんの欠落も無いという事を指していた。ハルはここでまた安堵し、用意された紙に判を押した。
「いやあ、思ったより簡単だったね」
「重助のおかげ。本当に、なんとお礼を言ったら良いか…」
ずっしりと重みのある銭袋を感心しながら見つめれば、重助はクスクス笑って見せた。最初は軽薄に感じて嫌だと思っていたその笑みも、いつの間にか見慣れてしまった。
「それじゃあ、ここで」
「うん」
重助は何を考えているのか分からない顔で夕陽を眺めていた。横顔が綺麗だ。巷の娘達がこの男に惚れ惚れする理由も分かる気がした。
「重助、このお金を預かって欲しいの」
重助は驚きを顔に浮かべた。しかし、こちらにも理由がある。
「うちにお金を置いておけば、母が気付いて使ってしまうかもしれないでしょう?それを避けたいの」
「ああ、なるほど……でも、僕はそこまでの信用に値しないだろう?」
ハルは首を振った。重助なら、信用できる。
思えば父が死んでから上手くいかない事だらけだった。そんな日々に光を与えてくれた彼の事を私は信じたいのだ。
重助に銭袋を手渡した。彼はしっかり受け取ると、少し目を伏せた後、いつものようにクシャリと笑った。
「じゃあまた明日」
「うん、明日」
二人の影が夕陽へ向かって高く伸びていた。
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