学校 裏サイト
第四章 冷たい気配
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児童養護施設、若松園の朝は早い。
午前5時半、男子棟の部屋の一室で、目覚まし時計の音が鳴り響いた。
拓也の部屋だ。
その音に刺激されて、彼は目覚める。
ぼんやりと体を起こし、ベルを止めた。
「あと五分……」などと呟いて、二度寝をするのは嫌いだ。
それに、そんなことをしている暇は、無い。
立ち上がり、カーテンと窓を開けると、初夏の気配を感じさせる朝日が降り注いだ。
風はないが、充分に心地よい気候だった。
パジャマを脱ぎ、制服に着替えると、拓也はそっと部屋を出た。
まだ寝ている他の中学生達を起こさないように、そっと廊下を歩く。
慎重な足取りで拓也が向かっているのは、食堂だ。