冬恋。【完】


海さんの気持ちは無駄にしたくない。


「海さんの気持ち、ちゃんと受け取ります。
よかったら私を彼女にして下さい!!」



半分涙目になりながら言う。

海さんのこと、これからもっと知りたい。一緒にいたい。



「みずか……。いいのか、俺で」



「はい。海さんがいいです」



私がそう答えると、海さんは優しく私を抱きしめながらありがとう、と耳元で囁く。



「嬉しい。ほんと大切にするから。もっと好きになるから。」


海さん…

「まぁしんみりしてばっかもよくないしみずか、これからよろしくお願いします」


「こちらこそよろしくお願いします!!で。」



ちょこちょこ気になっていたことを話題に出す。



「で?」



「そのブックカバーしてある本が気になります」


もしかしたらそういう系の本なのかもしれない。

私は純粋だから全然興味なんてないけど、海さんがどういう本読むのか気になってるだけ……。


ただそれだけなんだから!!


「みたい?」



「みたいです!!」



「敬語やめるならいいよ?」



海さんの条件にびっくりした。
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