冬恋。【完】
「大奏ー」
次の日、緋未ちゃんと待ち合わせをして学校に行くと東からの呼び出し。
ちょっと行ってくる、とひとみちゃんに声かけ東の所に行く。
「どした?」
東は周りを確認した後、私にコソっと話しかけてくる。
耳がくすぐったいです……。
「大丈夫?」
「いいよ!暇だし」
「分かった、じゃまた」
東はそれだけ伝えると、男友達の所へ行った。まだクラスのみんなにはバレてない様子。
私も緋未ちゃんの所へ行こうとした時、男子の会話が聞こえた。
「上野さんって、かわいいよな」
「でもさ、彼氏いるんじゃね。俺見たし」
……緋未ちゃんに彼氏?
そんな話、聞いたことない。いや、聞いたことないだけで実際はいるっていうことも……。
あんなに可愛いんだし、彼氏ぐらいいても当たり前か。
「高校生ぐらいのさー。帽子がぶってたからよく見えなかったけど」
高校生?帽子?
高校生って言ったら、緋未ちゃんのお兄さんの海さんぐらいだよね。
とりあえず私は、緋未ちゃんに聞いてみようと思った。
「緋未ちゃん?」
言おうとした瞬間、授業始まりのチャイムが鳴る。
タイミング悪い……、後で聞こう。