冬恋。【完】
さすがに試合となると集中はするが……。どうも後ろにいる人達が気になって仕方ない。
でも恥ずかしいなどと言っていても試合はどんどん進んでいく。
「ラッキッ」
試合は何事もなく進んでいきセットは2-1で私と菜帆のペアが勝っている。
といってもほとんど相手のミスだ。
いたって私たちはいつも通りである。
「ナイボレーッ」
そして次のセットは私たちが取った。
ほとんど私の出番はなく菜帆が点を決めてくれた。
……かっこいい、とでも言っておこう。
「ありがとうございましたっ」
相手のペアとの挨拶が終わると、菜帆は私にアドバイスをくれた。
アドバイス……のはず。
「みずかアウトしすぎ。ラケットの面気をつけてよねー」
「ごめーん」
「ま、勝ったからいいよ。あたしのおかげだからね??」
菜帆だけかよっ、と突っ込みを入れたい。
でも、今回の試合は菜帆がほとんど点を入れたのと相手のミスだったしなぁ。
「はーい」
ここは素直に受け止めておいた。
だってこうでもしないと菜帆怖いッ!!