冬恋。【完】
「みずか、保健室にいる?」
保健室にいて、治るなら保健室にいたいけど……。
熱、下がるのかな。
微熱って言っても、平熱に近いわけだし簡単には下がらないんだよね。
でも、体のだるさがあるのは何故だろう。
「保健室にいて熱下がるかな……」
出来れば教室に戻りたいのが本音。
「熱はすぐ下がるわけじゃないから早退にする?大奏さん」
パソコンをカタカタ叩きながら保健室の先生がそう言う。
「みずか、早退にしなよー」
えぇ、早退なんて大げさな……。
でも、今日そんなに大切な授業があるわけじゃないから早退しようかな。
ただちょっとサボりたい気持ちがあるのは内緒。
「じゃあ早退しようかな……」
「大奏さん早退ね、準備してきな」
「はい……」
保健室を出て、教室に戻り教科書を鞄に入れる。
もう授業中だからちょっとだけ目立つ……。