強迫性狂愛
第11章

驚愕


――…



「は―…、足がまだガクガクいってるー」


「何か飲み物買ってくるよ。何がいい?」


「…紅茶がいいかな」


「りょーかい。待ってて」


「ありがとう、翔くん」



自販機に向かって駆け出す翔くんの後姿をただ見つめていた。


…すごく、楽しかった。


遊園地なんて来たのいつぶりだろう。


ジェットコースターも何回も乗っちゃった。


好きなのに、いっぱい乗れた。


――…久しぶりに、笑えたように思えた。



「楽しんでも、いいのかなぁ…」



ずっと、思ってた。


赤ちゃんを失った時から…


笑うことさえ、いけないことのように思えてならなかった。


申し訳なくて、どうしようもなく、謝りようがなくて…


自分を楽しい方向に持っていくことに罪悪感が伴って、どうしてもできなかった。
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