強迫性狂愛

助けて…


――…



「迅っ!!周りにあたんなよっ!!」


「海斗、耐えろ」


「ありえねぇだろ!なんで俺にぶつけんだよ!あいつ本棚壊しやがった…あーあー…面倒クセ…」


「百花ちゃんに早く帰ってきてもらわないとね」


「元を辿れば、迅が悪いんじゃねぇか…」



中身をぶちまけて、壊れてしまった本棚を直そうと試みる海斗の姿を視界に入れながら功は眉を顰めた。



「仕方ないでしょ。あれが迅なんだから」


「まぁな。あいつの言葉の足りなさがわりぃんだよな」


「それ、お前に言えるセリフか?」


「グッ…、いいじゃねぇか…」


「…迅だって、後悔してないわけじゃないよ」


「わかってるよ。あんなの、後悔とかそんな部類の話じゃねぇだろ……」



海斗が持っていた本を、静かに置いた。
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