* another sky *

  side by MAYURI



「また、来るね。」


そう言って玲は病室から出ていく。


「玲…。ありがとう。」


「うん。じゃあ、また。」


私は小さく手を振った。

穏やかな気持ちだった。

久しぶりに、素直になれた気がする。


いつからだろう…。

そうだな、…。

もう、ずっと前から、だ。

玲の前では、いつも気持ちが張っていたように、思う。


きっと、こうなる前から。


無邪気な笑顔を見せる玲を、いつの間にか、姉のような眼差しで見ていた。

何でも素直に受け取るし、一生懸命頑張っちゃう姿は、同じ歳なのに、可愛らしく見えて。

玲の、キャラ、なのかな…。

もう、可愛いなぁ。

こんな妹がいたら、楽しいだろうなぁって。


完全に、姉、目線、――――。


毎日違ったブランドバックを持ち、おしゃれな服に身を包んだ綾子と梨花。

彼女たちと、地方から出てきて親元を離れて生活する私たちとは、何かが違うんだって、思ってた。


ただの、コンプレックスだったと、今なら思えるのに。


でも、玲は違ったんだよね。


臆することなく、誰とでも仲良く付き合っていた。

玲を通じて、綾子や梨花とも仲良くなったけど…。

都会で生まれ育ってきた人たちとは、分かり合えない。

あの頃の私は、頑なにそう、思っていた。


仲良くなるにつれて、お互いを『親友』だなんて呼びながら。

心の奥ではずっとそんなことを思いながら、二人と付き合っていた。

< 469 / 769 >

この作品をシェア

pagetop