* another sky *

◇ TASUKU


あれからすぐに、俺たちは一緒に暮らし始めた。


うん、―――。

まあまあ、上手くやってる方だと思ってる。


朝練を終え帰ってくる俺と、入れ違いに仕事に向う玲。

お互いの生活は、微妙にズレてはいるけれど。


お互いの個室に、ベッドルーム。

そして広めのリビングという、3LDKのマンション。

家賃は高いけれど、何より玲と一緒ってところが嬉しい。


食事は全て、玲が担当してくれている。

休みの日にまとめて買い物をし、玲はテキパキと下ごしらえをして冷蔵庫に納めていく。

玲の料理は、好きだ。

味覚と笑いの感覚が似てるって、最高だよ。

冷凍できるメニューは冷凍され、俺は一人でも家で食事にありつけるようになった。


「今までどうしてたの?」


「外食オンリー。」


今じゃあ、リンクにお弁当まで持たされるんだからね。

やっぱ玲って、いい女だと思う。


そして後は、俺の担当だ。

比較的、昼間に家にいることが多いから、掃除、洗い物、何でもござれ。

俺、意外と、家庭的なんですよ。


二人の休みが合う時は、ゆっくりと愛を確かめ合いながら過ごす。

玲はよく笑い、そしてよく泣く。

相変わらずの可愛さで、俺をメロメロにしてしまう、憎いやつ。

いや、ほんとに惚れたもん負けですよ。

あんなに睡眠障害のあった玲が、俺の腕の中で安心しきって眠っている。

あーもう、愛しくて仕方ない。


そして、暖かくなったら。


玲は俺だけの、本物のお姫様になる。



いつまでも、いつまでも、幸せに、暮らすんだ。



そう思っていたのに!!
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