憎悪と、懺悔と、恋慕。
成就。



 ---------その日から、入試までのわずかな時間、寝る間を惜しんでラストスパートをかけた。

 そして本命の大学の入試の日がやってきた。

 その前に何校か滑り止めを受けていて、そのうち1校はすでに合格発表があり、受かっている事を確認済。

 でもやっぱり第一志望に受かりたい。

 てか、受かる。

 だって、オレには早川さんがくれたお守りと大吉のおみくじがあるから。

 今日も大事にポケットに忍ばせ、早川さんから貰ったネックウォーマーに首に巻き付け、試験会場入り。

 席に着き、筆記用具と受験票を机の上に置き、時計を見ながらその時を待つ。

 予定時刻通りに試験用紙が配られて、合図と共に裏返されていたそれを捲る。

 軽快に持っていたシャーペンが動く。

 余裕で解けた。 なんなら時間も余った。

 正直、自信がある。 手ごたえもあった。

 でもやっぱり、合格発表までソワソワする。
< 209 / 280 >

この作品をシェア

pagetop