臆病者のシーソーゲーム(仮)

友人なのです











さっきまで周りに響き渡ってた人の声や屋台の音が、

一瞬にして消えた様に感じた。




私の目は自分のスマホ画面で。


それが小刻みに震えているような気がするのは、


私が動揺しているからか、

心臓のドクンドクンと鳴る振動があまりにも大きくて手に響いているのか…




落とさない様にとスマホをもち直したら、ミシミシって軋む音がした。





「うん…じゃあ神社の前で待ってるね」


直ぐ近くで電話を終えた美希が、


「これから来てくれるって……椿?」


と私の肩を揺さぶって名前を呼ぶ。


ハッと画面から目線を美希に向ければ、

心配そうな顔をしている美希と目が合った。





「お待たせー!
さっき堀川と話してたんだけど、今度4人で―」

「ごめん、私用事出来た!」


スマホをギュッと握りしめて、

隣の美希と、トイレから帰ってきた堀川と小林にハッキリと言う。




 
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