「やっと、吹っ切れたんだね。これでも心配してたんだよ」

秋斗とのことを気にして、塔子が気遣いをみせてくれる。
いつも大雑把に見せている性格だけれど、塔子はいつもちゃんと私を心配してくれていた。

「もしかしたら、ずっと引きずったままで、秋斗君に逢うたびにまた傷を増やしていくんじゃないかって……」
「ありがとう。ごめんね、心配かけて」
「春斗君は、今も知らないの? 二人のこと」

私は、頷いた。

「多分、知らないと思う。秋斗からも、多分何も聞いていなように思う」
「そう。それならそれで、話さないほうがいいかもしれないよね。あの二人は、あまりにも近すぎるから」

塔子の言うとおり、秋斗と春斗は兄弟というだけじゃなく、一卵性の双子ということでいつだって比べられてきただろう。
そんな双子の秋斗のことを私がずっと想い続けていたなんて知ったところで、春斗が傷つくだけだ。

あんなに優しい春斗を、傷つけたくはない。
できるなら、このまま知らずにいて欲しい。

そんな風に思う私は、ズルイのかな。
春斗を傷つけないために、なんて建前で、結局は自分も傷つきたくはないのだから。