幼少期

私の幼少期は、ごくごく普通である。

しいて言えば、私は比較的、小柄な両親に対し
非常に成長の早い子供で、小学校3年生で初潮を迎えたし
小学校5年生で身長が160cmを超えた。

その為、姿だけは妙に大人びた子供だった。

子供だから仕方ない事なんだけれど、
その妙に大きな体のせいで、色々なアナダを付けられた。

ジャンボとか、何かのアニメのキャラクターのでかい男の名前とか。
忘れたけど、とにかく、なんか色々・・・

物凄く、苦痛だったし、嫌だった。

知恵遅れなんじゃないかと言われた事もあったし
バスの料金を支払う時に、よく大人と間違われ
運転手に聞かれるので、うんざりだった。
それに、痴漢にも何故かよく遭遇した。
中学校の先輩には、よく待ち伏せされ呼び出された。

背が高いと目立つし、変なアダナはつけられるし、ロクな事がない。
それが、物凄く嫌だった。

けれど、その反面、何故か学級委員や、何かの班長に選ばれやすかったし
運動会ではアンカーを走らさせてもらえたり
期待が大きい面もあって、私は自分が頼られたり必要とされる事は
ある意味、とても嬉しかった。

私は子供の頃から絵を書くのが好きで、その絵を皆が欲しいと言ってくれるのも
本当に、嬉しかった。

だから、その期待に沿えるようになろうと努力をした。
両親も、それが自慢だった。

けれど、嫌われるのが怖かった。

もし私が、この期待に応えられなければ
私は、ただの図体のでかい脳無しと思われるような気がしていた。

だから勉強も真ん中より上くらいは出来るように。
スポーツも、体が大きい分、人よりは出来るように。

友達にも、嫌われないように。
両親からも、嫌われないように。

私を必要だと皆が言ってくれるように。
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