時報
4
そして、二人ともその通りに結婚した。






***



「不思議な話でしょ?」
Sがいった。


「どうせ、作り話だろ」
Oがいった。

「私は密かにあの電話ボックスに行ってかけたの。そしたら、25歳、ヨコタニ カズヤって音声がながれた。
で、わたしは今25、でもあなたの名前はアカマツ カズヤ、ちょっとおしかった。ま、偶然だよね」


Oは目を大きく見開き、黙ってしまった。

「どうしたの?」


…………。



「おれさ、昔ヨコタニだったんだよ。親が離婚して、今はアカマツだけど……」
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