探偵を雇って菊子さんを調べる事になったらしいが、俺にはそれを止める理由も見つからず、まあ、やらせておこうと思った。1週間かそこらでは、どうせ大した情報は得られないだろうと思ったし。


「それにしても信之、おまえさ……」


話はそれで終わったとばかり思ったが、兼続はまだ何かを言いたげだった。


「ん? 何だ?」

「嫁さんぐらい、自分で見つけられないのか?」

「え? 急には無理さ。そう言うおまえだって、同じだろ?」


当の兼続もいい歳して一人なわけで、女性に関しては俺と大差ないと思う。


「俺か? それは違うぞ。俺の場合、嫁さんを探す必然はないし、そうしたいという気がないだけだ。もしその気になれば、そんなものは直ぐに見つかるさ」

「本当か?」

「ああ。やる気の問題だな。おまえと同じで」

「俺と?」


兼続はいったい何を言いたいんだろう。よく分からんなあ。


「おまえさ、まったくやる気がないだろ? もしその気にさえなれば、おまえの地位と容姿なら結婚したい女なんかいくらでもいるはずだぞ?」

「そんな事ないって……」

「いいや、そんな事あるんだよ。実は前から言いたかったんだが、おまえからは何に対してもやる気というものが感じられない。もちろん仕事も、女も……」


と言われても、俺は何と返していいか分からなかった。図星だからだ。しかし……

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