そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】
◎都会の洗礼


――――やって来ました。夢にまで見た首都東京のオフィス街。


「うひゃ~…スゲー!!」


今朝まで離島のど田舎で過ごしてきた私にとって、初めて訪れた東京は見る物全てがカルチャーショック!!脳みそが刺激を受け過ぎて破裂しそう…


まず、真っ青な空を突き抜ける勢いで立ち並ぶ高層ビルに仰天!!そして、どこから湧いてくるのか?数え切れないほどの人間の集団に愕然!!


「これが噂に聞いたとーきょーかぁ~…」


暫し立ち止まり都会の雰囲気を堪能。でも、そんな事してる場合じゃなかった。就職先の会社を探さなきゃだ。


会社までの地図が書かれた紙を握り締め歩く事、数十分。


「ビックワールドカンパニー…この辺りのはずだけど…」


就職先の会社の社長は同じ島出身で、東京で大成功した郷土の誇りとして島では神の様な存在。港には彼の栄誉を称え銅像がそそり立っている。


私はありとあらゆるコネを使いやっとの思いでその会社に就職する事が決まり、めでたく上京したってワケ。


ビックワールドなんて凄いネーミングの会社だし、なんと言っても"神"が経営してる会社だ。さぞかし大きなビルに入ってる凄い大企業だろうと胸踊らせここまで来たんだが……


「ゲッ!!話しが違う……」


その会社は、大きなビルに挟まれ申し訳なさそうに建っている今にも崩壊しそうなボロっちいビルの中にあったんだ……


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