しっとりと   愛されて
私が作るのは、ロリロリのキャラで、顔は幼いけれど、爆なナイスバディで、もちろんコスチュームも細部までハンドメイドだ。

「完璧だわ!この唇!今までにない妖なライン。自分でもウットリしちゃう。」

ペットボトルの中身をラッパ飲みして、ひと息ついた。

耐水サンドペーパーを小さくカットして、綿棒の先端に巻きつけ、そっとバッファ掛けした。

半開きした唇が何とも妖しく、眉を少し寄せて、訴えるような眼差し、バッチリだわ。

「凄いわ!この表情ってばパーフェクトよ!塗装前に撮っておこうかしら。」

カシャカシャと数枚撮った。

「見れば見るほど完璧な出来だわ。」

これまで10体以上作ってきたけれど、満足できるものは1体もなかった。

これはここが変とか、あれはここが気に入らないとか、なかなか自信作に到達できずにいた。

しかも全てガチガチのフィギュアだった。

素材にもっと柔らかさを追求したかった。

本物に近いソフトな感触に仕上げたかった。

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