今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。

もう少しだけ、このままで(歩夢side)

「あれ? 珍しいね」

 スマホの着信には航太の名前。

 向こうからかけてくることなんて、滅多にないのに。


「今どこにいる?」

「家にいるけど?」

「陽菜んちにいるけど、すぐ出てこれるか?」


 急に呼び出すなんてなんかあったんだろうか?
 いつもなら、練習の時間のはずなのに、今日はずいぶん早い。

 陽菜が帰ってきたら行こうと思っていたから、教えてくれてちょうどよかったんだけど。

「うん」

 もう少し課題は残っていたけれど、陽菜に会いたい。

 航太の声のトーンが暗かったことが気にかかったけれど。



 僕はそのまま家を飛び出した。

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