お姫様と若頭様。【完】

Take3


【羽side】


最近泪の機嫌が激しく悪い。




その原因はまぁ会長様だろうが。






それは先日のことー



「ねぇねぇ会長さん、
僕のこと如覇って呼んでるよね?」


「えぇ」


それが何とでも言いた気な表情で
翠を見る彼女。




「僕のこと翠って呼んでくれない?」




「…なんでかな?」

と当たり前の質問をぶつける彼女。



マジで何がしたいんだこいつ。



「だってぇ、僕のこと如覇って
苗字で呼んだら何か距離感あるでしょ?


僕、会長さんと少しでも近づきたいって
思ってるんだよぉ?


"おんなじ生徒会として"さぁ?」



「う…ん…?」



まだよく分かっていない彼女に
更に話す翠。



「僕らは元々名前で呼んでるし
普段一緒にいる時もあるからいいけど、

会長さんは初対面でしょ?



やっぱり不公平じゃな〜い?


会長さんだけ蚊帳の外みたいだよ!


やっぱり僕生徒会に入ったなら、
団結力を深めて、
より良い学校にしたいんだぁ…」



頼み込むように彼女を見る翠。




彼女もやっと理解したのか
うんうんと頷いている。





しかしー



「國館先輩も苗字ですよね?

如覇君たちは元々仲が良いのだから
名前呼びは当たり前ではないですか?」



「うっ…」


そう言われて言葉に詰まる翠。


「それに団結力も重要ですけど、
個人の力も凄く重要なんです。


それに名前呼びと団結力に
何の関係が…?」





翠の奴撃沈だな。





本当に不思議がっている彼女。



知らぬ間にそんな彼女に
翠は傷つけられてる。


自分で言ってそこまで
考えてなかったのが悪りぃんだよ。


ある意味自業自得だな。



< 46 / 371 >

この作品をシェア

pagetop