キミのイタズラに涙する。


コーラとオレンジジュースを持って病室に戻ると

隆平は眠りについていた。


「隆平……?」

スースーと寝息が聞こえる。


「寝ちゃってる」


安心したかのように眠っている彼をみて、私は

ぎゅっと手を握った。


温かい。


帽子も被ったまま寝ている彼をみて少し心が痛む。


どんな隆平だって好きだからね。

気にすることないんだよ。


私は彼の手にちゅっとキスを落とした。


「好きだよ、隆平」


きっと私の気持ちを、もう伝えられることはないけれど


心の中だけでいいから想わせてね。

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