キミのイタズラに涙する。


俺はそう言って沙良に手を差し出した。


弱々しく俺の手を握ってくる沙良。


顔は見えないけど、きっと

コイツめっちゃ顔赤くしてんだろうなって思ったら


またさらに愛しくなった。


しばらく手を繋ぎながら散歩して

たわいもない話をする。


その話はいつもと同じ会話であるのに


ちょっと違って感じた。



本当はウソも


相手を思いやる時にしかついちゃいけねぇって知ってる。


だけど、今日は俺のため。


今日でその気持ちもちゃんと隠すようにするから



神様、今日だけは見逃してくれな?


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