キミのイタズラに涙する。


「アイツにさ

沙良ちゃんがイタズラに気付いたら、渡してくれって

気付かなかったら捨ててくれって言われたんだけど

こんなん捨てられるわけねぇよな」


震える手で満くんからネクタイを受け取る。

視界はもう涙でいっぱいだ。


「隆平の心は全部そのイタズラに込められてるんじゃねぇかな?」


「りゅ……っへ」


こみ上げる気持ちに言葉がつっかえる。


もうダメだ、だって本当にズルいだもん。


好きなんて一度も言われなかった。


告白したって、友達にしか見られないって断られた。

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