失恋のち恋
1人目の出会い
高校2年の4月。
私は一番大事なこの時期を怪我で2週間ほど休んだ。
新しいクラスはもうすでにグループが出来ていて、私は一人取り残された。
授業にも付いていけない。
毎日、退屈でしょうがない。
そんな時、優しくしてくれたのが隣の席の今井春馬くんだった。
「何?」
ポンと私の机にノートが置かれた。
「お前、休んでたろ?返すのいつでもいいから」
それだけ言うと、男子のもとに戻っていく。
ペラペラと貸してもらったばかりノートを見る。
綺麗にとってあること……
今思えば、なんだって始まりはいつも今井くんだった。
授業についていけるようになったのも……
クラスの輪に溶け込めるようになったのも……
いつの間にか私はそんな彼を好きになっていた。
でも、告白することはずっと躊躇っていた。