淋しいお月様
淋しいと言われて淋しい
「わ~お。今日も豪華なお弁当」

職場の休憩室でお弁当を広げていたら、ユアさんと葵ちゃんが声を投げてきた。

「あ、お昼時間、一緒だったの?」

どうやら私は、一足早く休憩室に来たらしい。

「何、お弁当作ってくれる彼、帰ってきたの?」

ふたりは私の座っていた丸テーブルに席を取り、椅子に座りながら言ってきた。

「あ、うん……」

「彼って、何の職業なの? いたりいなくなったり、大変だね。商社マンとか?」

ユアさんの突っ込みに、どう答えていいものか迷った。

彼氏である静哉は、サラリーマンだし。

お弁当を作ってくれてる“彼”は、彼氏ではないし……。

「商社マンではないけど……。あとはしばらくライブ……じゃない、出張はないみたいだよ」

思わず本音が出てしまった。

だけど、ユアさんは広げたお弁当に気をとられていて、”ライブ“という言葉に気づかなかったようだ。

葵ちゃんも、気づいていない様子。

「いいね。ラブラブなんだね」

「ラブラブというか……」

「星羅ちゃん、彼氏のことになると、しどろもどろになるね。何か訳でもあるの?」

多久美省吾と同棲してます!

何て言ったら、ユアさんも葵ちゃんもぶっとぶだろうな。
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