淋しいお月様
「いや、上手というか……ははは」

私は笑ってごまかした。

「食べるのもったいないよね。でも、おいしそうだから食べちゃうよね、ふふ」

とクマさん。

「私のお弁当なんて、昨日の晩ご飯の煮物、詰めただけだよ~」

「ユアなんかいい方よ。私なんて作る気さえしなかったんだから……ほら、コンビニおにぎり」

「ユアもクマさんもいい方。私なんてポテチ」

あははははっ、と葵ちゃんのオチにみんな笑う。

私もつられて笑っていた。

いつ以来だろう。

みんなに囲まれて、こうやって笑ってるのって。

はるか遠い昔のような気がする。

けれど、今はこうして笑ってる。

淋しくてひとりで公園でビール飲んでたのなんて、嘘みたいだ。
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