蒼いラビリンス~眠り姫に優しいキスを~
4 【ありがとう】

拓郎が住んでいるのは、東京とは言っても郊外に建つ、オーソドックスな二階建ての木造アパートである。


八軒ほどが入居しているが、いずれも単身者ばかりだ。


二階の東南の角部屋、日当たりが良いのだけが取り柄の部屋だが、洗濯はコインランドリーで済ませてしまうし、植物を置く趣味があるわけでもないので、拓郎にとっては、その好条件もあまり意味は無かった。


1LDK。


半畳ほどの狭い玄関を入ると、約十二畳ほどの洋間のLDK。


後は寝室として使っている六畳の和室。


決して広いとは言えないが、拓郎にとっての「我が城」だ。

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