レンタル彼氏を使ってみました(仮)

***



「じゃあ、お前は依頼人の愛花じゃなくて……」


「篠原ひより……です……」



彼は腹を抱えて笑い出した。

むしろ、笑いすぎってほどに。



「マジでウケるわ~まぁ、キャンセル出来ないからしょうがないけど、友達んちに送り込むとかソイツもやるなっ!!」



ちらりと私に視線を動かした。



「で、どうする?代わりに受ける?」



グッと彼の整った顔が近づく。



「何がお好み?俺様、ドS、ツンデレ、ヤンデレ、ヘタレ、クール系、可愛い系……なんでもできるけど」



前のめりになる彼と対象に、上体を後ずさりしていった。



コツンと床に後頭部がつく。

唇がくっつきそうなほど顔が近い。



「受っけない。帰って!」


「今更、帰れねぇよ」


「じゃあ、どっかで時間つぶしてよ」


「そんな金ない」



ああ言えばこういう、こう言えばああいう。


なんて強情なヤツ



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