箱入り結婚のススメ
第1章

初めての合コン


今日も充実した一日だった。
相変わらず、走り回っている間に終わってしまったけど。

それでも子供達の無邪気な笑顔で、疲れも吹き飛んでしまう。


「舞(まい)」

「なに?」

「土曜日、合コン行くから」

「どうぞ」

「どうぞじゃなくて、舞も行くの!」

「私が?」


同じ幼稚園に勤務している親友の麻子(あさこ)が、園児と泥にまみれて真っ黒になったTシャツを着替えながら私を誘う。


「そう、舞が。
もうさー、いい加減に男に興味を持ちなさいよ。
幼稚園なんてほとんど女の先生しかいないんだから、外に目を向けてさ」

「小栗(おぐり)先生、いるじゃない」

「小栗先生にとってはハーレムだけど、選ばれる方はひとりでしょ? そうしたらあとは敗れるわけ。
ここ、独身女性は、えっと、一二三四……八人もいる!」


はじめて気がついたような驚きの声をあげる麻子に、私は笑ってしまった。

< 1 / 450 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop