仕事しなさい!
須賀くんがぱっと手を離した。
私はヨロヨロッと自販機に寄りかかる。


「そんなわけで、お試し期間、よろしくお願いしますねー。倫子さん」


名前呼び……。
須賀くんはニコッと人好きのする笑顔を見せて、去っていった。
革靴をコツコツ響かせて。


「ばっかじゃないの?……こんなことしてないで、仕事しなさいよ……」


私は震える声で呟いた。
彼には聞こえない、ひとり言レベルで。

な……泣きそう……。
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