仕事しなさい!
「ねえ、公園のステージで踊ってた時みたいに笑ってくださいよ。あの時の倫子さん、すっごく綺麗だった。野性的で、しなやかで。あっちがホントの倫子さんでしょ」


「……帰る」


「はいはい、ダンスのことは触れられたくないんですね。困った人だなぁ。でも注文しちゃったから、帰っちゃダメ。残したら勿体ないオバケがでますよ」


……まあ、料理を無駄にするのはよくないよね。

私は仕方なくテーブルに留まり、須賀くんオススメのフレンチを味わい、彼の申し出を断り、しっかりワリカンにしてお店を出た。


コーヒーも誘われたけど、私は逃げるようにメトロの改札に飛び込む。


「倫子さーん、週末の予定はー?」


「用事あるから!」


追いかけてくる声を振り切って、ホームに続く階段を降りる。
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