恋愛禁止(ホラー)
泣き声
寮内へ駆け込み玄関の鍵をかけ、その場にずるずるとしゃがみ込む。


心臓はバクバクと暴れ額には大量の汗が流れていた。


「おい、どうした?」


悲鳴を聞きつけた伊達先生がすぐに事務室から出てきた。


「先……生……」


あたしは伊達先生に支えられて、やっとの思いで立ち上がることができた。


足はガクガクして立っているだけでやっとだ。


「まさか、外でもなにかあったのか?」


「女の……人が……」


お風呂場で見たあの女性で間違いない。


あの幽霊は寮の外まであたしを追ってきたのだ。


「とにかく、部屋で休んだ方がいい」


そう言い、伊達先生はあたしを部屋まで支えていってくれたのだった。
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