恋愛禁止(ホラー)
ターゲット
翌日。


あたしの気持ちとは裏腹に天気のいい休日だった。


あたしは昨日浴室で見た髪の毛と手に絡みついて来たあの感覚を忘れられず、頭まで布団をかぶり一夜を明かした。


「ツムギちゃん、大丈夫?」


下からいろはちゃんの心配そうな声が聞こえてくる。


昨日真っ青な顔をして部屋に駆け込み、そのまま何もいわすにベッドに入ってしまったから、当然だろう。


だけど、あたしは恐怖から一睡もすることはできなかった。


「ちょっと寝不足で……」


そう返事をして上半身を起こす。

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