桜散る夢 ~愛を誓う~
不信 新撰組side

土方「だったな、2人共斎藤か...。零、

てめぇは名前で呼ぶ。おい斎藤、こいつを

お前のとこに任せてぇんだか。」

沖田「えー、どうして一君なんですか。」

土方「うるせぇ総司。斎藤、構わねぇか?」

斎藤「承知。」

沖田「もぅ...ずるいよ一君。」

斎藤「副長が決められたことだ。」

零が口を挟む間もなく、斎藤の部屋に決まる。

零「俺の意見を聞く気は...」

土方「ねぇよ。これは決定事項だ。」

零「だよな...(ざけんなっつーの。

ちっ、これまでか)...よろしくお願いします」

零は表面上、素直に頭を下げる。

その姿に、近藤は微笑んでいた。

近藤「零君も疲れただろう。部屋に行って、

ゆっくり休むといい。斎藤君、連れて行って

あげてくれ。」

斎藤「はい。...斎藤零、ついてこい。」

斎藤についていくため、持っていた竹刀を預け

近藤らに軽く頭を下げてから斎藤の背を追った

お互いに一言も口を開かず廊下を進み、

部屋の前で止まったのを確認し、零も止まる。

斎藤「ここだ。左は副長、右は総司だ。布団は

勝手に使え。屯所内はあまりうろつかないこと

部屋でおとなしくしておけ。時間になったら

また呼びに来る。」

伝えたいことを言うと、斎藤は部屋の前から

去っていった。

零(よりによって隣が沖田総司...。結核が原因

で死んだんだよな。俺の移さねぇように

しないと、歴史変わっちまうかな...?)

色々考えながら部屋に入る。

零「...何もねぇ。いや、殺風景...?」

机の上に少しの書物があるくらいで、

何も無い部屋。


と、その時。誰かの気配を感じた。

零(あーぁ、観察役のお出ましってところか。)

零は微弱な気配にも敏感だ。

相手の行動パターンを読むのも朝飯前。

部屋の壁に背をつけないように気をつけ、

立て掛けた刀に身をあずける。

傍から見れば眠っている姿。

が、零はそれを装いながら、観察役に集中する

零(気配は1人...俺が知ってる観察方は2人...

流石にこんな状況だからあいつらが一番信用

してるやつに任せるから、その2人のどちらか

...この体型は、山崎丞だな...小さいし。

あんまり見られるのは好きじゃないんだよな。

どうするか....。)

零は少しイラつきはじめ、眉にシワがよる。

そして、一つの案がうかんだ。

< 44 / 44 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:10

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

己の誠

総文字数/5,078

恋愛(純愛)14ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop