◇◇◇


ぷかりぷかり、海の上。



ゴムボートに乗り込んで来たイカ達が海に戻って行ってから、どれくらいの時間が過ぎたのか…



そんなに時間が経っていない気もするし、随分長いこと波に揺られている気もする。



イカ一郎はイカリアちゃんをお持ち帰りしたのだろうか?



それが気になるのだが、私には彼らのその後は分からない。



それにしてもイカ一郎は女の趣味が悪い。

白目むいてシャクレ顔で気絶って…

女としてあの子はどうなんだろう…



私でさえ、そこまでの変顔は出来ないよ。



うーん、ある意味凄いね。

変顔師匠と呼ばせて貰おう。



何故か食べても食べても無くならない、イチゴ味のかき氷を食べ続けていた。



すると平和だった南の海が急に大きくうねり出し、慌ててオールを持って漕ぎ出した。



漕いでも漕いでも、岸には近付けない。



どんどん離れて行く平和な白い砂浜では、

ナイスバディな金髪のお姉さん達が、リンボーダンスで盛り上がっていた。



遠ざかる笛やラッパやドラムの音楽を聴きながら、必死にオールを漕ぎ続ける。



その時、一際大きな波がやって来て、ちっぽけなゴムボートはピョーンと空に弾き飛ばされてしまった。



高く高く飛ばされて…

ボフンと落ちた所は雲の上。



キラキラと輝く太陽にふわふわ真っ白な雲。

もしかするとここは天国か?



なんだかいい香りもする。

珈琲の香りに混ざるのは…甘い様な爽やかな様な…



例えるなら童話に出て来る王子様みたいな香り。
王子様フェロモン。



王子フェロモン…?

ん…?



―――――…


ぼんやりとした意識の中でゆっくりと目を開けると、目の前は白かった。



雲…?いや違う。

白は白でもこれは白い布だ。



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純愛  ラブコメ  歴史  切ない  大正  イケメン  年上  感動  大人  珈琲 

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