―7月。


今日は“正式な”彼女になってからの初めてのデート。

聡さんは“別に今まで通りでいい”と言ってくれているけれど…そんなこと私には到底できない。
今までは“一応”という曖昧な関係に甘えていた。だけどもう今は…“正式な”彼女。


これまでの気持ちとは、明らかに違う。


“聡さんにもっと可愛いと思われたい”とか“隣にいても見合うぐらい…綺麗になりたい”とか。
“正式な”彼女になってからの私の気持ちは…忙しいぐらい毎日のように揺れ動くんだ―…。



それとあの日――。





ガチャ…ッ



『…ただいま。』



『知沙おかえり。足は大丈夫っ…』


朝帰りをした私を、お母さんが出迎える。



『…って。こちらの方は?』


そして…私の隣に立つ聡さんを見て、きょとん顔。



『あのっ…えっと……』



『こんな朝早くにすみません。わたくし、井上 聡と申します。』


緊張で言葉が出てこない私の代わりに彼がそう言いお辞儀をした。



『井上さん…?娘とはどういう関係で…?』



『はい。知沙さんとは…お付き合いをさせて頂いております。』



『えぇ…!?ということは……知沙の彼氏…っ!?!?』


聡さんから聞かされた事実に…お母さんは目をまん丸くして驚いた。
それに大声なんて出すもんだから…



『母さん、どうしたんだ?リビングまで丸聞こえだぞ!?』


奥から、お父さんの声が聞こえてきて…



『…って、知沙?ん…?そちらは…?』


お父さんも玄関までやって来て、さっきのお母さんと同じ反応。



『初めまして、井上 聡と申します。知沙さんとは…お付き合いをさせて頂いています。』



『お…おつ…!?えぇ…っ!?』



『ちょっとお父さん!落ち着いて下さい!』


娘の“彼氏”だと知ったお父さんは、かなり混乱しているようで…お母さんがお父さんの肩を掴んだ。





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