抵抗虚しくバーグに連れて来られたユイ。


「お前達、カーティスを見張っておくんだ。
 絶対に逃がすんじゃないぞ!」


 バーグはフィニー達に念を押して去って行った。

 しかし、こんな事でへこたれるユイではなく、バーグの姿が見えなくなるとこっそりと抜け出そうとした。
 だが、バーグの言葉を忠実に守ったイヴォに掴まり、あえなく阻まれた。


「………イヴォ離して」

「離したらどっかに行くだろうが!」

「当然」


 何が悪いと言いたげなユイの眼差し。


「良いよって言ってあげたいけど、さすがに今日は駄目。
 試合があるからユイちゃんに抜けられると困るんだよね」


 いつもはユイに甘いライルだが、今日ばかりはユイを逃がすわけにはいかなかった。

 何せ今日は模擬試合が行われる。
 ユイが居なくなれば数的に不利になり、何より自分達の中で一番強いユイが抜けるのは痛手だからだ。


「私がいなくてもイヴォがいるし大丈夫でしょ?」

「確かに同学年じゃダントツだけど、今日は上級生とも試合があるからね。
 さすがにイヴォ君でも、経験の差は急にはどうにもならないから」

「諦めて参加しろ」


 そう言われようがユイは全くやる気の無いようで逃げる機会を窺っている。





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