ついにやって来た合同合宿初日。

 ……とは言っても実際に合宿が行われる場所まで行くには、まずバーハルの街まで列車で二日間の移動の後、さらに馬車での移動が必要だった。


 そして今はその列車の中。
 そこで宛てがわれた個室で、せっかくの外の景色を見る事もなく、ユイはウトウトと眠たそうにしていた。

 その時扉をノックされ、僅かにユイの思考がはっきりしてくる。


「はい………どうぞ………」


 そうして入ってきた人物に、今度こそユイはぱっちりと目を覚まし驚きの表情を浮かべた。


「…………どうしてフィニーがいるの?」


 合宿にフィニーの名は無かったはずだ。
 そもそもAクラスでもないユイが参加する事自体異例の事なのだ。
 それなのに何故かフィニーが目の前にいる。
 一瞬寝ぼけているか他人の空似かと疑ったが、確実に起きているし間違いなくフィニー本人だった。



「いやぁ本当だよね。
 僕自身も驚いててさ、ちょっとだけ試験でやり過ぎちゃったみたい」

「ちょっとだけ、じゃないからここに居るんでしょ!」


 あまりの驚きに、フィニーにしか目が行っていなかったが、鋭いつっこみが入って漸くフィニー以外の人物がいる事に気が付いた。



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