◇東雲庵◇2014〜2017◇
マーニーで再開。


7月22日、火曜日

久方ぶりの更新となりました。みなさま、お元気ですか?先月は突然走り書きのようなファンメを送りつけてしまい、申し訳ありませんでした。ご心配、励ましの言葉など諸々いただき、ありがとうございました。ここ(東雲庵)も1ヶ月ほど閉鎖を余儀なくされておりましたが、そろそろほとぼりも冷めた頃合かなと思いますので、とりあえず東雲庵だけガードを解除、再公開します。しちゃいます。ていっ!

ってなわけで、心機一転。改めて、よろしくお願いしますね。



やー、しかしまいったまいった。
ここほったらかしてる間に梅雨明けちゃいましたがな。時が経つのは早いものです。夏休み、というものは個人的にはありませんが、旦那のお盆休みだったり隣家の小学生が毎日家にいてにぎやかだったり、いつも周囲の変化で夏休み気分を勝手に味わっております。これはお正月と同様だね。

昨日は珍しく旦那も私もふたりともお休みだったので、映画を観にいってきました。うん、マニマニ。『思い出のマーニー』。ジブリの新作はとりあえず目を通すんです、うち。…前評判にもよりますけど。
以下、少しネタばれますので詳細を知りたくない方はすっ飛ばしてくだされ。◆印の間はマーニーを観た感想です。


・・・いい?
すっ飛ばした?笑


◆◆◆

はい。では参りましょ。
以前、ここの創作バトンで「やさしい触感のおばけの話が書きたい」と言いました。故に、マーニーを観たあとの第一の感想は「これだ!こういうのが書きたかった!」でした。つまり「ああちくしょう、もうこれでいいや。」ということです。ああいう、やさしい世界を描き出してみたかったんだなー、と。世に起こる不思議な現象は、ちゃんとした理由がそこにあってそれを受け手が理解できれば、かならずしも怖いことではないのかな、と。恐怖の根本は「理解できない、予想できない」ことだと思うので。迷路もお化け屋敷も、中身を知ってたら怖くないでしょ。そういう理屈でね。(中身を知っていてもなお怖いという方もおられましょうが…笑)

ただ、あの作品をミステリー、と捉えてしまうと面白味が全くなくなってしまう。だって結構ヒントがあって、大人脳で観ていると結末がすぐにわかってしまうもの。ああ、そういうことね、と。(←中盤で既にそれをやってしまったひと)
マーニーと杏奈の「ふたりだけのひみつ」とは一体何だったのか。この解を何にするかによって、作品の見方が変わってくると思う。
それから、この作品の良さ(他のジブリ作品に比べ優れている点)って、男性にはちょっと理解しづらいかもしれません。何ていうか、思春期の少女特有の情緒というか、ある種の不安定さ、ゆらぎ(そこから来る理不尽な感情の爆発)といったものをものすごくよく表していた作品だと思うので。米林監督はこういうの上手いな、と感じましたね。宮崎駿監督の描く少女にはない、物憂げで危うい雰囲気。若干エロティックさすら醸し出してしまうマーニーと杏奈の交流(これは私が勝手に感じているだけなのかもしれないけれど、制作側の意図もあると思う。)は、観ているこちらがドキドキしてしまった。いいの!?ジブリでこれ、いいの!?って。事実、映画のコピーでガールズラブ、同性愛を連想させるような過激な文章が候補として挙げられていたという話だし。「ふたりの、禁じられた遊び。」的なの。(すみません、正しくはわからない。)結局、大人しい普通のコピーに落ち着いたそうだけど。

内容に対しての感想はそんなところかなー。孤独な故に排他的な少女。の、心に踏み入る事が出来たもう一人の孤独な少女。互いに傷を抱えた2人の感情の移ろいやすさ(親和~拒絶の間を行ったり来たり)、が生み出す色気。からの大転換。これらすべて、少年にはない心の機微だ。男性諸君、断定的な物言いお許しを。
ああ、使いたくないけどぴったりだから使わせていただく。ひと夏の経験。自分が何者かを知り、足元が固まって、少女は少し大人になった。こんな感じ。乱暴でごめん。

画に関しては相変わらず美しい。今回は北海道が舞台ということで、北の地ならではの色彩が楽しめた。北海道の夏の色ってああいう風なんだっけなー。緯度が高く、陽の力が弱いのがよく伝わってくる。曇りの日も、霧の出る日も多い。


駿監督の(長編映画監督)引退後、ジブリの行く末に注目が集まるのは仕方が無いこと。けどまぁ、みなさんには気負わずに、いろんなことを意欲的に試していってくれたらな、と個人的には思っております。手仕事の良さ、という基礎はもちろん捨てないでいただきたいけれども。だって、駿監督はもういない(=引退した)のだから。同じ才能はこちらも期待していない。悲しいことだけれど、天才は唯一無二だから天才なのだ。わたしはナウシカを観て、紅の豚を観て、駿監督を何度も賞賛し、プロダクツを繰り返し愛でる。そしてよくぞこの人と同時代に生まれた我!とその幸運に感謝する。それしかない。そして、それでいいのだ!ってなわけで、がんばれジブリ!ありがとうジブリ!(なんでもいいけど感情が昂ぶりすぎてそれとかあれとか多用してごめんなさい。

◆◆◆

もう、いーよー。
マニマニ、(及び、途中からジブリ愛を叫ぶ回)以上です。
あれ。しまった。マーニーのネタバレしたくない人にはほぼ読むところがない日記になってしまいました。ご、ごめん。観てからもう一回来て…いただけると嬉しいです、平伏!

さて、では今日はこの辺りで。
これから暑さが増してきます。
みなさまどうぞご自愛くださいね。ではでは!
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