「矢口さん、おはようございますっ」

「おー、原おはよ。今日は早いのな」

「昨日から仕事少したまってて。あ、さっき廊下で速水さんが呼んでましたよ」



いつも通りの平日の朝。いつもより少し早めにやってきたオフィスで笑って言う私に、矢口さんは何だと言いながら廊下へ出て行く。

一人になった室内で、鞄を置いて机の上に積んである書類と向かい合った。



午前は編集作業、午後は桐谷さんと打ち合わせ…。そう考えていると、後ろからはガチャ、とドアの開く音。

振り向けば、そこには出勤してきた青井くんの姿があった。



「…お、おはよう」

「…おはよ」



少しぎこちなくも挨拶を交わし、私はすぐに机の上の仕事に取り掛かる。それ以上の会話もなく、漂う無言。