慰めのその後に
□慰めのその後に

01







「おい、大丈夫か?」





夕陽が沈む景色を楽しむべきなんだろうけど、その景色も楽しまずテラスに寄りかかり俯く私を見てどの口が大丈夫?なんて…


イラッとして声のする方に目をやればスーツを着込む和哉が立っている。





「見ればわかるでしょ?」





フンッと鼻で笑う私に和哉は何も言わず胸ポケットから煙草を取り出すと、それを銜えジッポで火をつける。


ふんわり香る煙草の匂い。


そのまま和哉は一歩前進しテラスの柵に手をおくと夕陽を眺め、すげぇなココと言いながら紫煙を吐き出した。





「なあ」

「なによ」

「なんで来たんだ?」

「意地」





意地だけでここに来た。


海辺に立つこの真新しい式場に。



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