結局、小林部長に押し切られるかたちで社員旅行に参加することになってしまった。



たかが一泊二日の温泉旅行とはいえ、あのメンバーと旅行なんて考えられないとあゆみは思った。




年齢層は二十歳から八十歳と幅が広過ぎるうえ、社長の周さんを筆頭に浪岡さんを含む事務所のメンバーと若手の職人達、組み立て専門のパートのおばちゃん、神様の部屋の御三方も合わせるとなるとなかなかの大所帯だ。まとまりがないにも程がある。

それに加えて、あの小林部長が一緒なのだ。

事務所の若い女性社員(とくにエリカ様)はここぞとばかりに張り切るだろうということは容易に想像がつく。


若手の職人さんやその他の男性社員はエリカ様の浴衣姿が見られるだけでテンションが上がるかもしれないが、小林部長から変に馴れ馴れしくされている場面をエリカ様や他の若い女性社員に見られてしまったりすると、かなりややこしいことになりそうだ。



(…行きたくないなぁ…)



(せめて、社員旅行のあいだは小林部長には話しかけられたくないなぁ…。というか、なるべく近寄りたくないな…)



あゆみの心の叫びも虚しく、旅行まであと一週間というときに配られたバスの座席表には、小林部長の隣にしっかりと、あゆみの名前が記入されていた。



(さ…最悪だ…)








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