生意気なキス
生意気なキス
翌日、夜。
居酒屋で二時間ほど飲んだ後、二次会のカラオケに移動。

適当に二曲ほど歌った後に、私は一人でカラオケの喫煙室で煙草を吸っていた。


案の定、私以外のメンバーは、みんな年下。
男性陣は同僚らしく、社会人三年目の人たちに、女の子も二十代前半の子ばかり。


年の差はあるけれど、そんなに感じの悪い人もいなくて、居酒屋では当たり障りのないことを話したけれど。

二次会では女の子たちはそれぞれに狙いを定めたらしく、ガツガツいくノリについていけなくなった。


仕事が終わった後に、こんな夜中までみんな元気だな。

私は明日の土曜はめずらしく休みだけど、近藤さんは出勤でしょうに。


私なら明日のために休まないと、とても体力が持たない。体力だけじゃなくて、早く帰ってメイクを落とさないと明日の肌が......。

若さと体力がほしい。  


若者のノリについていけない私は、二本目の煙草に火をつけた。


この頃は禁煙、分煙化が進んで、以前まではどんなところでも喫煙できたけど、最近ではきっちりと喫煙場所を設ける店が増えてきた。


このカラオケ店も例外ではなく、喫煙できるカラオケルームもあるけれど、それとは別に空気清浄機付きの喫煙室がある。


煙草を吸うという思い切り肺に悪いことをしているのに、空気清浄機の意味があるのかは疑問だけど、とにかく気を配っているみたい。


喫煙者は最初から喫煙ルームを選ぶのか、空気清浄機付きの喫煙室は私以外に誰もいない。
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