桜思い出す頃
4章
夏休みも終わり今は、秋の文化祭と体育祭の準備をしている。



文化祭と体育祭が一緒はしんどいけど楽しい。
一日目が体育祭で二日目と3日目が文化祭だ。




「翼。今日…さ。一緒に帰らない?」


葵が急に誘って翼は固まっている。
がすぐに笑顔に戻って



「いいよ。」


翼は笑顔で答えた。
でもなんで二人で帰るんだろう?


俺はあまり気にとめなかった。


そして体育祭の準備をしている時、





「大志。今日本屋さんに寄っていくのついてきてくれない?」


夏蓮が大志に話していた。




「いいよ。あと…さ」



ゴニョゴニョ……



二人で何か話してっぽい。


そしたら夏蓮が小さく頷いていた。



「みんな、聞いてほしいことがあるんだ。」



大志がそうゆうとみんな動きを止めて大志に目を移した。




大志は大きく息を吸うと…











「俺は夏蓮と付き合ってる。付き合ったのは、みんなでホテルに泊まりに行った2日目の夜だ。」



みんな目をまるくしていて固まっている。

その時夏蓮は俯いていた。





その時口を開いたのは意外にも若菜だった。





「おめでとう」












待て待て。
大志は好きな子がいたはずだ。

まあ、結構前の話だがそれでも彼女を作らずに居たのは本気で好きだったからだろ?




俺の頭の中はパンク寸前だ。








「みんな隠していてごめんな。隠すつもりはなかったんだが言うタイミングがつかめなくて。」







大志は幸せそうに謝っていた。











俺はそんな大志を見て大志が幸せならそれでいいと思っていた。








そしてこのとき俺はあることを心に決めていた。













大志と夏蓮が付き合ったのは驚いたがそれに驚きすぎて今日が体育祭の日ということを忘れていた。





俺の種目は騎馬戦と7団対抗リレーだ。
優勝の組には図書カード1000円分もらえるらしく文化系の人も珍しくやる気になっている。





他の大志や若菜たちは色んな種目に出る。
それを必死に応援する。





そして早くも俺の7団対抗リレーの順番が回ってきた。




「あー緊張する。」




独り言のように言っていたら俺と一緒に出る葵が話してきた。



「なに緊張してんのよ。頑張って走ったら誰も文句なんか言わない。」



そんな葵の言葉に俺の心は軽くなった。



気合いを入れ直してとうとう入場。





応援席にはみんな座って名前を呼んでくれている。




そして俺は第1走者目だからスタートラインについた。



よーい、ドン。バァーン…




無心で走っていた。
気付けば一位で葵にバトンを渡していた。






そしてみんなから




「悟と葵お疲れさまー。悟も葵もかっこよかった。」





正直泣きそうになるぐらい嬉しかった。







そして体育祭も大詰め。
全員参加の棒引きだった。





それも見事に勝ち、俺たちの組は優勝できた。






体育祭が終わり、葵が口を開いた。



「みんな集まれる日作って明日明後日の、文化祭も含めて打ち上げしない?」




6人での打ち上げのことだろう。



全員一致で






「オッケー。」




そして、翌日の文化祭1日目俺らはお化け迷路と言うお化け屋敷と迷路を合体させた、とっても凝ったものをしてる。




客はまずまずだ。
作ってる最中でさえ怖いと感じさせるほど恐怖の迷路だ。





店番が終わり6人で体育館に移動してダンスを見ていた。





「うちのダンス部本当にすごいよねー」



葵が口を開いた。




そう。常北高校のダンス部は県で1位
全国でもベスト8には入るほど上手い。




「悟。今日の放課後二人で話したい事あるんだけどいい?」



若菜が口を開いた。



「え……う、ん。大丈夫だよ。」


急にどうしたんだろう?
前何か言いかけてたしそのことかな?

それより若菜と二人…か。


何か緊張するな。







「悟。寒くない?」


今は1日目の文化祭が終わって若菜と二人で学校の近くの公園に居てる。




「大丈夫だよ。」



それから他愛ない話を繰り返して、若菜が急に真剣な顔に変わった。



「悟。私ね…」









「わ、たし…自分の気持ちが分からなくなってきた。」


頬を赤らめている若菜は抱き締めたくなるぐらい可愛かった。


「どういうこと?」



「私、実はね……なんだか悟といたら胸の当たりがキュウ…って締め付けられるの。
胸が痛いの。なんだか自分じゃないの。」



ちょ……えっ、それって…
まさか…な。


期待なんかするだけ無駄だ。
人生顔が全てなんだよ。





でも、そこまで言われたら少しくらい自惚れてもいいよな?







「若菜。俺は若菜が好きだよ?明日まだ文化祭が残ってる。明日の文化祭店番もないし俺と回ってくれない?明日の放課後改めて若菜に告白する。それまで自分の気持ちを考えてみてくるない?」












「え…そんな。私は……まだ分からない。だから悟の言うように明日までに考えてくる。ちゃんと自分の気持ちを伝えれるように考えてくるね。」










予想外の言葉に俺は頬が赤くなっているのが、自分でも分かる。


もしかして、俺にも春がきたのか?





これは、あるぞ。








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