天才極甘党系男子



なんとなく、ふらふらと来た場所はバイト先。


お客さんとして中に入ると濱さんがいた。


「どうしたんだよ、お客様」


「ちゃんと接客してください」


「こちらの席へどうぞ」


それはウェイトレスが待機する場所に近い席。


そしてわたしが注文する前に厨房にいってメニューを伝えた。


「今日は少ないですね」


「うん、寒くなってきたし夏物減らさないとな」


「濱さん」


「ん?」


濱さんに話したところで濱さんが困るだけ。


やっぱりやめとこう。


「濱さん、ケーキ食べたい」


「注文しといた」


「ありがとうございます」


「濱さんには好きな人いますか?」


そう聞くと、濱さんはいとおしそうに笑って頷いた。


少しビックり。


聞いたのはわたしだけど。



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