夜の虹
風俗嬢みか
風俗店の1日は早い。

シャワーを浴びて髪が半乾きのまま電車に乗り、渋谷駅で降りると店に電話をかけた。

「お疲れ様です、みかです。今渋谷着きましたー」

電話を切って、蒸し暑い日差しの中、道玄坂を登っていく。
ウェッジソールのサンダルが汗で滑り、爪先に食い込む。

(やっぱり神泉で降りれば良かった・・・)

登り坂もあと半場のところで、京王線に乗り換えなかったことを後悔し出した。

コンビニで1リットルのポカリスエットとスナック菓子を買った次いでにクーラーで体を冷やし、近くのマンションへ足早に向かう。


お昼12時を回れば、どこからともなく女の子が集まってきて、渋谷の外れにあるマンションの一室は賑やになる。

ラブホテルの隙間を埋めるようにマンションは建っていて、そのひと部屋が風俗嬢の待機場所となるのだ。

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