私の初恋は、叶わなかった。いや、それよりも、“だめ”になって初めて自分の気持ちに気付いてしまったといったほうが、正しいのかもしれない。

苦いにがいその恋は、何年経っても私の心に居座り続けている。


正直……桜を見上げるのは大学生になった今でも、辛い。





大学一年の3月。廊下の窓からグラウンドをボーと眺めていると、後ろからぽすっとなにかで頭を叩かれた。

「桜井次、講義じゃないのかよ」

「あ、澄伶くん。休講だって。掲示板に貼ってあった」

「そうか」


なぜか澄伶くんとは縁があるみたいで、小中のみならず、高校、そして大学まで一緒なのだ。高校はぐっと関わる機会も減ったけれど、またこうして友達をやっている。


だけど、眼鏡じゃない澄伶くんは澄伶くんじゃない。
なんの心境の変化だろうか。

今年になったとたん、これだもん。なんでコンタクトレンズに変えたのだろう。