(続) 冷めた結婚


ここにいてはダメだと本能で感じる。



帰らなきゃ。



そう思い、地面に落ちている買い物袋を拾う。



「なぁ?」



「じゃあ」と一言いい帰ろうとした時、再び声をかけられてしまった。




「何?」



その声に私は振り返る。すると…。



「よく結婚できたな。お前そんな神経持ってたんだ」



「えっ…?」



言葉を失うとはこういうことなのか。



何で、そんなことこの人に言われなきゃいけないのだろう。



「まぁ、旦那もそれ程度ってことだな」



輝と過ごした全ての時間を否定されてる気がして悔しかった。



ねぇ、圭吾。


圭吾が私に酷いことしたんだよ?


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