「由佳ちゃん、おはよ!」


学校に着くと、真っ先に華代が由佳に声をかける。


「おはよ。」


由佳が返すと、華代は嬉しそうに微笑んだ。


「小野寺くんも、おはよう!」

「うぃーす。」


眠そうにあくびをしながら、由佳と一緒に登校した薫は答えた。


例の事件以来、華代は由佳に堂々と話しかけてくるようになった。

最初はクラスの人も、由佳に話し掛ける華代に驚いてひそひそ話をしていたものだったが、今では冷たい視線を向けるだけで何も言わなくなっていた。


それはきっとあの日以来、奈津子がずっと沈黙を続けているせいだ。

いつもなら薫がいないところで嫌味を言ってきたりしていた奈津子だったが、珍しいことにあの日以来、不機嫌そうな顔をするだけで、何も言ってこないのだ。

しかしそれは由佳にとっては大いにありがたいことだった。


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純愛  感動  胸キュン  友情  イケメン