【完】甘い香りに誘われて 2 *極道若頭×姐さん修行中の♀


由香里さんなんて、


「結衣ちゃん行くわよ。」と言いながら


たまにポケットを広げる。


何かと思ったらそこに入れという意味らしい。


あまりの可笑しさに大笑いだ。



「あのですね…150cmはあるんですよ。」


「結衣ちゃん?」


「あったはずです。」


「はいはい。」


多少の見栄は、張った。


150cm…


これはちっさい人間には大きくそびえ立つボーダーラインだ。


家の中で迷っていると三浦さんなんか


「おとまりくだせぇ。」って人差し指を横に出す。


「インコじゃないんですからね。」ジロリと睨めば


「こんな可愛い小鳥はいやしませんよ。」


「じゃあその指は何ですか。」


「いや、何、日頃のクセでね。」


「三浦さん小鳥なんて飼ってないじゃない。」


あはははは



何も知らなかったら、見た目で怖い人と思ったかもしれない。


だけど、こんなにもみんなが優しい顔で笑い


かけてくれる言葉も話しも堅気の世界と言われるところと何らかわりがなく


逆に、温かさを感じる毎日だ。






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